世界最高峰のヨットレース、アメリカズカップのために Embarcadero 沿いのピア27/29 に特設された America’s Cup Park に行ってきました。今年9月の本選に向けて、現在はその出場チームを決めるルイ・ヴィトンカップが行われています。パークは入園無料です。
入り口に隣接するお土産屋さんを通過すると、人工芝が広がる観戦エリアがまず見えてきました。エアマットとビーンバッグが置いてあって、好きに使って大型スクリーンでレースを見ることができます。卓球台もあったのでプレーしてみましたが、風が強くて断念。でも気持ちのいいスポットです。
その向こうにあるのが、「World’s largest Pop-up Sports Bar」とメディアで紹介されていたスポーツバーです。ピアのターミナルを期間限定でバーに変身させているだけですが、まぁ確かに広いし、Pop-up感も漂っています。
バーというだけあって、お酒のセレクションが充実しているようです。生ビールが7〜9ドル、ワインがグラスで9〜16ドル。カクテルは一律14ドルと、ちょっと高め(?)ですが、パラソルの下で飲んだら優雅な気分になれそうです。フードメニューはサラダやサンドウィッチ、チーズの盛り合わせなど、軽いものがメインで、週末の午前10時から午後2時まではブランチもやっています。
スポーツバーを横から見ると、こんな感じ。向こうにピラミッドみたいなトランスアメリカビルも見えます。
さらに湾の方に歩くと、たぶん一生足を踏み入れる機会はないと思われる豪華ヨットが、この日は3艘停泊していました。そのうち2艘は「MUSASHI」「ASAHI」と日本語の名前が付けられていたのが印象的でした。こちらのMUSASHIは全長約88メートルで、デザインに日本の美学が反映されているとか。ちなみにオーナーは、オラクルの共同設立者ラリー・エリソン氏だそうです。
そしてピアの先端に到着しました。ここに着くまではなんとも閑散とした雰囲気があったんですが、やっと人だかりに巡り会えました。遠くにアルカトラス島やエンジェル島が見えて、なかなかの風景です。左端に写っているのは、ビルではなくてクルーズ船。12階建てぐらいの高さがありそうです。デカっ!
肝心のレースはピアから離れたところでほぼ展開するので「遠くで何かやってるなー」的なスタンスで見ることになります。ゴールデンゲートブリッジに近いマリーナ地区に設けられた America’s Cup Village の方がレース全体を見るには適しているかもしれません。ただゴールはAmerica’s Cup Parkの目の前なので、白熱したレースのフィニッシュはこちらで見届けたいかも。写真は、ゴール後にファンサービスでピアに接近してくれたニュージーランドチームのヨットです。
さて、このアメリカズカップですが、「伝統あるヨットレースで、開催すれば市も経済的に潤う」とうたわれていたわりにはかなりひっそりと開幕した感じがします。この日のレースも、実はニュージーランドチームしか参戦していなくて、圧倒的な不戦勝。ちょっとニュースを読んでみたら、アメリカズカップは前回の覇者(オラクル・チームUSA)vs ルイ・ヴィトンカップ優勝者という1対1の組み合わせで9月7日から始まる決勝選を指し、現在開催中のルイ・ヴィトンカップに参戦しているのは3チームだけ。しばらくはこの3チームが1対1のレースを何度も繰り返し、8月6日からの準決勝シリーズ、8月17日からの決勝シリーズでアメリカズカップへの出場権を競います。
しかし、練習中の事故でクルーの1人を亡くしたスウェーデンチームはヨットの完成が間に合わないなどの理由で「準決勝からの参戦を目指す」と表明し、イタリアチームはオラクルチームに有利と思われるルール変更への抗議として、開幕当初のレースをボイコット。国際審議会がイタリアチームの主張を聞き入れたため、昨日(11日)のレースから参戦しましたが、対戦相手がスウェーデンチームだったので不戦勝。明日(13日)やっと2艇がそろうレースが行われるわけですが、もともと15チームの参戦が期待されていたのに実際には3チームしか出場せず、しかも不戦勝ばかりで盛り上がりに欠けるとスポンサーのルイ・ヴィトンが開催側に払い戻しを請求するなど、まだまだ問題が絶えない様子です。
そんなアメリカズカップですが、実は会場でコンサートシリーズも展開しています。出演アーティストは Weezer や Jason Mraz、Jonas Brothers など。サンフランシスコの夜景をバックにした特設ステージはなんともロマンティックです。暖かい夜に好きなミュージシャンのコンサートが楽しめたら、それだけで「Thank You, America’s Cup!」かもしれません。
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