先週の木曜日、ゴールデンゲートパーク内にあるカリフォルニア科学アカデミー(California Academy of Sciences)に行ってきました。時刻は午後5時半ちょっと前。アカデミーは5時に閉館済みなので辺りはひっそりとしていて、静かに夜がやってきました。(写真21枚+長〜い文章です。お急ぎの方は一番下の【まとめ】へどうぞ)
科学館とプラネタリウムと水族館と、あとは何だろう?博物館?が合体したような科学アカデミーですが、毎週木曜日は午後6時から10時まで NightLife という成人向けのイベントが催され、21歳以上のみ入場できる大人な雰囲気の中で夜の博物館が楽しめます。しかも入場料は12ドル(会員なら10ドル)!! 通常の入場料は驚きの34ドル95セントなので、めちゃめちゃお得です。
5時40分ごろから人々が並び始め、開館直前には300人ほどの列に膨れ上がっていました。こころなしか殺気に似たような緊張感が漂っているような。これが大人な雰囲気なんでしょうか… NightLife はそんな大人限定のイベントなので、入場前にIDのチェックがあります。「どこから見ても中年だから」とか「学生証で大丈夫だろう」などと油断しないで、絶対に運転免許証かパスポートを持っていきましょう。かなりしつこく注意される可能性があります。(目撃しました)
さて、列の最初の10人ぐらいのところに並んだかいあって、以前昼間に来たときには待ち時間が長過ぎて入れなかった4階建ての球体熱帯雨林にスルッと入ることができました。空いているのでゆっくり観賞できて優雅な気分。でも思ったよりもオーソドックスな温室で、外から見たときの方がインパクトが強いかな〜と勝手な感想を抱きました。
この熱帯雨林コーナー、放し飼い状態(?)のチョウチョ以外ではカエルの展示が一番多かった気がします。カエル嫌いな人は辛いだろうなぁ。ごめんなさい。でもこの人、透き通ってますよね?
踊り場には植物アートも。後ろから来たご婦人グループが「んまぁ」的な感嘆詞を連発しながら携帯で写真を撮っていたのが興味深かったです。
下を見ると、大きな魚や亀が泳いでいます。水面に反射しているのは人工照明。まぶしいです。昼間は天窓から日光がいっぱい入る構造になっていますが、夜はそれを人工的に再現しているそうです。
4階まで辿り着いたらエレベーターで一気に地下まで案内されます。さっき見ていた魚たちが今度は頭上に。これはニクい演出ですねー。個人的にはエレベーターの中で「蝶が着いてきていないか確認してから進んでください」と真剣な表情で説明を受けたのがおもしろかったです。スタッフさんたちにとっては笑い事じゃないと思いますが。
地下の水族館は暗くてムーディーで、まるでナイトクラブのよう。NightLife は館内でアルコール類を販売しているので、お酒を片手に水族館でデート、なんていうカップルがたくさんいました。
いつもうまく撮れないクラゲたち。毒キノコのような姿形で今日もぐるぐると泳いでいました。
アカデミーでたぶん一番人気があると思われる Philippine Coral Reef。私も大好きですが、この日はここにDJブースが設けられていて、いかにも今からパーティが始まる感じだったので早足で次に進みました。水族館って混むと一気に落ち着かなくなります。
地上に戻ってきました。やっぱり球体熱帯雨林は外から見た方がカッコいいです。
さて、この後は入場と同時に整理券を確保しておいたプラネタリウムの7時半の上映に向かいました。NightLife では、この早い者勝ちの無料整理券をゲットするために人々が開館前から並ぶと聞いて、私も真似してみたんですが、現在上映中の「Dark Universe」はプラネタリウムのショーというよりは教育テレビ番組に近くて、ちょっとガッカリでした。古くさくてもいいから星座とか見たかったなー。
この夜最後に観賞したのは、今月30日まで開催中の「頭がい骨展」です。プラネタリウムから出てきた人々がそのまま流れ着いた状態で、ほぼぎゅうぎゅう詰め。でもおもしろかったのでじっくり見ました。
一番最初に目に入ったのは、壁一面に標本のように並べられた頭がい骨たち。似たようなものがきれいに並んでいるのって、すてきです。
人間の頭がい骨もありました。「この人はどういう人だったんだろう。なんでこの頭がい骨が選ばれたんだろう」。科学的視点からかけ離れすぎた疑問が次から次へと浮かんできます。どこかの博物館の関係者? 死刑囚? 形が標準的だったから?
犬コーナーはパグからミニチュアプードル、ラブラドール・リトリーバーまで16種が集結していて、みなさん写真撮りまくり。対して猫は「Domestic Cat」として1つしか展示されていなかったのが印象的でした。理由は分かりますが、猫ちょっとかわいそう。
中にはエイリアンも混じっていました。
これは絶対、角じゃなくてカツラでしょう。
そんなこんなで頭がい骨展を堪能して出口に向かう途中、ガラス張りの部屋の中で淡々と鳥類と哺乳類の解剖が進められているのを目撃しました。そうですよね。こういう過程があって研究や展示があるんですよね。
入り口近くの広間は、年末のホリデーイベント「’Tis the Season for Science」に向けて準備中。この巨大雪だるまは子ども向けのドーム型シアターだそうですが、ちょっと気になります。12月にまた来ようかな。
入場した時はプラネタリウムの整理券のことしか頭になくて、ちゃんと見なかったTレックスくん。サンフランシスコの市民らしく、首にジャイアンツのマフラーを巻いていました。Go Giants!!
【まとめ】
- NightLifeは毎週木曜日午後6時〜10時開催
- 入場料は12ドル(通常時間の一般入場料は34ドル95セント)
- 当日券は5時半から窓口で販売
- 21歳以上のみ入場可能
- 全員ID提示を求められるので運転免許証かパスポートを持参すること
- プラネタリウムの整理券を確保したければ6時前から並ぶこと
- 球体熱帯雨林は7時45分で終了
- プラネタリウムと球体熱帯雨林の中は飲食禁止
- 常時展とは別に「アート」「フード」など毎週違うテーマでイベントが企画されている
- 混雑を避けたいのなら、人気のなさそうな週を狙うべし
- 頭がい骨展は今月30日まで
- 今月27日と来月25日は祝日なので休み