師走の慌ただしい空気の中、サンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)に行ってきました。
昨年5月、拡張工事を終えてリオープンした時に無料の公共スペースは見に行きましたが、チケットを入手して中に入るのは初めてです。ちなみにこの吹き抜けのロビーは誰でも入れます。チケット売り場は階段を上った2階にあります。
一般入館料は25ドルなんですが、今回はサンフランシスコ公共図書館の会員向けプログラム「Discover & Go」を使ってタダ券をゲットしました。子どものいる家族向けに発足されたプログラムらしいんですが、子どもがいなくても独身でも利用可能。地域の博物館やアトラクションのチケットを無料または割引価格で確保できます。
人気のあるチケットは数カ月先まで予約できなかったり、「発券は会員1人につき2枚まで」とか「同館での利用は1年に1回のみ」とか、いろいろ制限はありますが、これで市内の主要ミュージアムのほとんどは無料で行けます。図書館の会員証を持っている人はぜひチェックしてみてください。
ウェブで予約したチケットを窓口で無事もらえたので、まずは以前から気になっていた階段の上の、あの緑に覆われた壁のあるテラスへGO!
そこには数点の彫刻作品にまぎれて雪だるまがいました。これも彫刻といえば彫刻。
現在開催中の特別展の一つが写真家、Walker Evans の回顧展。1930〜40年代のアメリカ南部の農村をドキュメントした作品や建物の看板の写真などで知られる、アメリカの写真の歴史上なかなか重要な人物です。
アラバマ州の農村の女性のポートレートは特に有名な作品ですが、そのとき撮られた4枚のうち「一番悲しそうな表情の一枚」と「薄く微笑んでいる一枚」が別々の機会に発表されていたのが興味深かったです。
あまり時間がなかったので、次は1月1日に閉幕してしまう「Soundtracks」展へ直行。音をテーマにした作品が、かなり大掛かりなものも合わせて20点。一番分かりやすくて目を(耳を?)引いたのは、水に浮かんだ白い陶器たちがぶつかって音を奏でる、この作品でした。
さっきの雪だるまもそうですが、「つい写真を撮りたくなる」「説明を読まなくても楽しめる」というのは、アートとして優れている、という意味だと思います。
一緒に行った友人は「この秩序を乱してやる〜」と、ボウルの一つを流れに逆らうよう押していました。後で説明を読んだら(一応読んだ)「触ったり写真を撮るのはご遠慮ください」と書いてありました。怒られなくてよかった。
この展示の階には展望テラスがあったので、外の空気を吸ってちょっとひと休み。なんか「建設中の建物の完成予想図」みたいな一枚になりました。
7階なので景色はこんな感じですが、絶賛建設中のトランスベイ・トランジットセンターの空中庭園エリアで作業する人々が豆粒みたいに見えたのがおもしろかったです。
3階に新しいカフェができていて、サンフランシスコのSightglassのコーヒーを飲みながらインタラクティブな展示が観賞できる造りになっていました。でも閉館時間が近づいていたのでコーヒーは断念。
閉館後も公共スペースと売店はオープンしていたので、ちょっと散策。
まるでアンテロープキャニオンを歩いているよう?(大げさ)
ここの売店はアイデア商品もいっぱい扱っているのでギフト探しに使えます。SFMOMAブランドはデザインがいろいろあってお土産にも良さそう。
あと驚いたのがトイレ。中が真っ赤だったり真緑だったり、階によっていろいろ。次回はもっと時間に余裕を持ってでかけて、全色制覇したいと思います。