Le Videoが再出発。1階は本屋さんに

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インナーサンセット地区のレンタルビデオ屋「Le Video」閉店の噂が流れたのは、確か今年の3月ごろ。1階と2階合わせて10万本の作品をそろえていても生き残りが難しい時代になったんだなぁと思っていたら、1階に本屋が入居してリニューアルオープンしていました。本屋さんの店名は「Books on the Park」。クレメントストリートにある人気店 Green Apple の姉妹店(二号店?)です。Le Video は2階で営業を続けることになり、とりあえずはめでたしめでたし。

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本屋さんの内装はこんな感じ。クレメント店と比べると店内が明るく、本が探しやすい印象を受けました。スペースが限られているので古本よりは新刊に重点を置き、小説や料理本、子ども向けの書籍を中心にした品ぞろえになると聞きましたが、入り口付近にはサンフランシスコに関連した本が並んでいたりして、いい意味で一般的な本屋さんという雰囲気です。

集まれ村上春樹ファン
今夜発売記念パーティ

Books on the Park がオープンしたのは今月1日なんですが、今夜11日午後10時から、オープニング&ある作品の発売を祝うミッドナイトパーティが開かれます。その作品とは、村上春樹の「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」の英語版(英題も長くて、Colorless Tsukuru Tazaki and His Years of Pilgrimageです)。ビールを飲みながら村上春樹の作品に関するクイズに答え、ラッフル抽選でサイン入りの新刊がゲットできるという内容なんですが、気になるのが「仮装パーティ」。村上作品に出てくるキャラクターに扮して参加してください、と書いてあるんですが、皆さんどんなコスプレで来るんでしょうか。それを見るためだけに出かけたい気持ちでいっぱいです。

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エンバカ沿いに新アート登場

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先週、エンバカデロ沿いを歩いていたら、こんな光景に遭遇しました。何かのパーティーのようですが、このイソギンチャクのような彫刻は新しいパブリックアートでしょうか。

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説明書きがあったので読んでみたところ、Flaming Lotus Girls というサンフランシスコを拠点にしたアートグループが2009年の Burning Man のために制作した作品で、フェリービルに隣接するこのスポットに1年間展示されることになったそうです。ベイブリッジのイルミネーションも一緒に楽しめるので、日没後の人気スポットになりそうですね。

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作品のタイトルは「SOMA」。South of Market の略ではなく、神経細胞体(soma)を意味していて、少し離れて観賞すると、確かに神経細胞(ニューロン)に見えます。細胞レベルの極めて小さいものを、公共の場で大きく見せるというのも狙いの一つなのかもしれません。

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昼間に見るとこんな感じ。wikiの神経細胞のページの図解と照らし合わせてみてください。そっくりです。今週の金曜日(8月1日)には、展示記念の公式セレモニーも開かれるそうです。でもイルミネーションは毎日見られるので、混まない日を選んで出かけた方が賢明かもしれません。

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すぐ横のピア14はちょっとモダンな造りの桟橋で、天気のいい日には散歩にもってこいの場所です。ウェディングの記念撮影にもいいのかも。

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ほらね。

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そういえばここは、ちょっと前までロケットが展示されていたスポットですね。「Milky Way Local」なんて名付けられた便が、サンフランシスコから火星や冥王星を巡るというのがコンセプトで、脇に立っていたポップな時刻表も含めて好きな作品でした。今ごろどこかを飛んでいるのかもしれませんが、どんな風に出発したのか、見たかったような見なくてよかったような…

フィルモアにリアルな銅像12体

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サンフランシスコ日本町近くの郵便局(または、その目の前にあるバス停)を利用する方はもうご存知だと思いますが、Geary Blvd 沿いのその郵便局の前に、こんなおばちゃんがいます。

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お隣のライブハウスでイベントがある時など、列を連ねる若者の群れの中でかなり渋いオーラを出しています。そして、近づいて観賞すればするほど、紙袋や肌のリアルすぎる質感に感心してしまいます。

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実はこれ、今年6月にスタートした Fillmore Sculpture Project という公共アートプログラムの中の作品で、Fillmore @ Gearyの交差点から約6ブロックのエリアを歩きながら、彫刻家 Seward Johnson 氏の作品12体を観賞できるようになっています。南に1ブロック行ったところにある広場には4体を展示。

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このホットドッグおじさんの表情が、銅像なのに柔らかくてびっくり。「屋台の上に本物のタマネギやレリッシュがこぼれてる」と思って見たら、これもフェイク。その徹底ぶりに脱帽です。

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この人たちは、あまりにも地域に同化していない感が漂っていて浮きまくりでした。

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それでも近づいて確認せずにはいられない質感。口の中の湿った感じとか、目の奥行きとか、すごいなぁ。

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ベンチで読書するお姉さんは、一瞬見落としてしまいました。この本の角っこ、リアルすぎます。

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「ストップサインにまで銅像を置いちゃうなんて」と思ったら、サインも銅像の一部でした。これ、間違えてみんな止まっちゃうんじゃないでしょうか。

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Fillmore Center のコートヤードにも2体あると聞いて足を運びました。初めて来ましたが、ベンチがいっぱいあって落ち着けそうな場所ですね。でも、どれが彫刻だろう。2秒ぐらい動きが止まっている人全員が彫刻に見えてきました。

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正解その1は、この人。色が塗られていないので、いかにも銅像です。本をのぞいたら、もちろんしっかりと字が刻まれていて、小学校の校庭にあった二宮金次郎の銅像を思い出しました。

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もう1人はこちら。何がすごいって、ゴミのディテールです。

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こんなにあったら一つぐらい本物のゴミが混じっていてもおかしくなさそうですが、見事にすべて作り物でした。もう降参です。

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なんだかんだで1時間強歩き回りました。「フィルモアを歩きながら足を止めてほしい」という、このプロジェクトの狙いどおりですね。12月末には撤去される予定なので、興味のある方は今のうちに散策にお出かけください。

缶詰のアート展 今年は出品少なめ

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スープやベジタブルの缶詰を積み上げてオブジェを作るイベント「Canstruction」が今年も開かれていると聞いて、SOMAの Rincon Center(101 Spear St)に行ってきました。去年の11月に続き、今回が3回目。前回の展示を見に行ったらとても興味深かったので、今年はどんな作品があるのかな〜と期待して出かけました。

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ドアを開けると、ロビーに並んでます並んでます。一番手前のは何でしょう? その奥はボウリングのピンとボールですね。カーブがきれいに表現されています。でも、前回に比べて作品の数が少ないような? ロビーをぐるりとまわって目に入ったのは計9個でした。

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その中で一番凝っていて「おおっ!」と思ったのが、両手(両足?)に獲物を掴んで満面の笑みを見せる犬くんの図。横から見るとお腹がでっぷりとしていて、さらにかわいいです。

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アイデアは「なるほど!」って感じですが、実際の完成作品は微妙に地味だったのが、このルービックキューブ。組み立てるのは比較的簡単でも、積み上げるの重たかっただろうなぁ。

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この展示は今週の金曜日(27日)まで一般に公開され、同日午後3時からの「Decanstruction」で解体された後、約3万個の缶詰がサンフランシスコとマリン郡のフードバンクに寄付されます。ちょっとお値段は高めですが、小龍包が絶品と人気の飲茶レストラン Yank Sing も同じロビーにあるので、フードアートと飲茶を合わせるのもいいかもしれませんね。

Yank Sing といえば先日、お客さんが「Non Asian」か「Asian」かを会計の際にレジのシステムに入力していることが発覚してニュースになっていました。お店側は「客層を把握するのが目的で、人種によってサービスに差をつけることは一切ない」とコメントを出していますが、それにしてもざっくりとした分類ですね。

Crissy Fieldに巨大アート出現

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ゴールデンゲートブリッジの南東に広がる Crissy Field に久しぶりに行ってみたら、鋼材を使ったインダストリアルな巨大アートが出現していました。

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上海生まれのイタリア系米国人アーティスト、Mark di Suvero 氏の作品計8点を集めた野外展で、来年の5月26日までサンフランシスコ近代美術館(SFMOMA)との共催で一般に公開されています。

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こんな風に距離を置いて点在しているので、のんびりと散歩気分で見て回れるのが楽しいです。各作品の前には簡単な説明を書いたパネルが設けられていますが、Suvero氏のインタビューを含む電子ガイドをスマートフォンなどにダウンロードして、本格的に観賞することもできます。

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作品はどれも大きいんですが、風で動くような(意外と)軽い部分もあって、どんな構造になっているのか気になるモノもいくつか。遠くから見たら数学の授業を思い出してしまうような作品もありました。

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もともとは米軍の航空基地だったCrissy Fieldですが、近年は国立公園管理局の運営下で市民のための多目的エリアとして開発が進んでいます。歩道や自転車用のルートが整備され、ビーチやピクニックエリアだけでなく、屋内でトランポリンやロッククライミングが楽しめる施設もオープンしました。

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そして、その脇を通る101号線も新しいトンネルが開通して、以前のごっつい陸橋(と呼んでいいんでしょうか?)は取り壊し作業が続いています。でもその一部は、何やらカバーが掛けられ手付かずの様子。

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あ、ペットセメタリーでした。約2000世帯が敷地内に住んでいた基地時代にできた墓地だそうで、公式には新規のお墓を許可していない現在も、市民がこっそりとペットの亡骸を埋めにくる「知る人ぞ知る」的なスポットです。頭上の工事が完了したら、以前よりも陽が当たるようになるでしょうねー。そしたらゆっくりと墓石を読んで歩きたいと思います。

J-POPサミットで映画祭 西川美和監督が来ます

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日本のポップカルチャーを集めたストリートフェスティバル、J-POPサミットが今年も日本町にやってきます。開催日は例年より少し早く、7月27日(土)、28日(日)の2日間。ファッションショーやダンスコンテスト、日本からのゲストおよび地元バンドのライブをはじめ、アートやアニメグッズの販売ブース、フードトラックも集結してポップカルチャーの祭典を盛り上げます。

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そして今年は、新たな企画として「サンフランシスコ日本映画祭」も開催! 最新の邦画、アニメ作品を15本以上そろえた本格的な映画祭です。しかも「夢売るふたり」の西川美和監督と「図書館戦争」の佐藤信介監督、「モバイルハウスのつくりかた」の坂口恭平さんが特別ゲストとして上映会場に登場し、観客からの質問に答えてくれます! すごい。これぞ映画祭って感じですね。興味のある方はいますぐチケット購入を!

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現在決まっている上映作品の一覧は次の通りです(アルファベット順)。

Berserk: The Golden Age Arc II
ベルセルク: 黄金時代篇Ⅱ(2012年、92分)
7/28 3:50pm

Dreams for Sale
夢売るふたり(2012年、137分)
7/27 7pm

Evangelion 3.0: You Can (Not) Redo
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q(2012年、92分)
7/27 11am, 7/29 7pm, 8/4 11am

Himizu
ヒミズ(2012年、129分)
8/4 1:10pm

Helter Skelter
ヘルタースケルター(2012年、127分)
8/3 4:20pm

How to Build a Mobile House
モバイルハウスのつくりかた(2012年、98分)
7/27 1:30pm

HUNTER X HUNTER: Phantom Rouge
HUNTER×HUNTER 緋色の幻影(2012年、97分)
8/3 11am

Lesson of the Evil
悪の教典(2012年、129分)
7/27 4:20pm, 7/30 7pm

Library Wars
図書館戦争(2012年、138分)
8/2 7pm, 8/3 1:10pm

Naruto Shippuden: The Lost Tower
劇場版NARUTO 疾風伝 ザ・ロストタワー(2010年、85分)
7/28 1:30pm

Platinum Data
プラチナデータ(2012年、134分)
8/1 7pm, 8/3 7pm

Rent a Family Inc.(2012年、77分)
7/31 7pm

Rurouni Kenshin
るろうに剣心(2012年、134分)
7/28 6:30pm, 8/1 4pm

Space Battleship Yamato
SPACE BATTLESHIP ヤマト(2010年、138分)
8/4 3:20pm

TIGER & BUNNY: The Beginning(2012年、90分)
8/2 4pm

Wolf Children
おおかみこどもの雨と雪(2012年、117分)
7/28 11am, 8/4 6:15pm

ただで楽しむExploratorium

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ゴールデンゲートブリッジに近いマリーナ地区から、オークランド・ベイブリッジが見えるピア15に場所を移し、先月中旬にリオープンした体験型科学館エクスプロラトリアム(Exploratorium)に行ってきました。

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といっても、入場料は一般25ドル。ベイエリア9郡の住民なら割り引きを利用して20ドルで入れますが、それでも安くはないので、今回は無料で見学できるエリアだけにフォーカスしてみました。この地図の赤い点線のエリアです。

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いきなり科学っぽい装置がありました。これは何を調べる機械でしょう?

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こちらはベイエリア各地の海底からサンプルを集め、それを構成する砂や石、貝殻の種類や割り合いの違いを紹介するコーナー。丸い窓のような水槽にはハンドルが付いていて、自由に回して水と混ぜることができます。デルタのサンプルは砂(というか泥)が多くて、一回混ぜるとなかなか透明に戻りません。

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逆に太平洋側のロデオビーチ(マリン郡)は石が多いので、水と混ぜてもすぐに下に集まってしまいます。ちなみに後ろに見えるのはオークランド・ベイブリッジ。コーヒースタンドとベンチもあるので、ここでひと休みなんてのもいいですね。

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ピア15とピア17の間には橋が架かっていて、サンフランシスコらしい景色が楽しめます。

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と思っていたら、あっという間に霧が発生して、さらにサンフランシスコらしい景色に変身!これはナイスな仕掛けです。

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こんな風に橋の両側に噴射口(その数、800以上だそうです)が設置してあって、30分おきに人工の霧を作り出します。この Fog Bridge は日本人アーティスト、中谷芙二子さんの作品で、今年9月16日(月)まで展示中。ちょっと検索してみたら、中谷さんは1933年生まれだそうです。今年80歳!霧の彫刻家として世界中で活躍していますが、サンフランシスコでの展示は今回が初めてとのこと。すごいなぁ。

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それから、どこかのフードブログで読んだだけで実際に確認はしていませんが、元・かぶと寿司の大将がこのレストラン Seaglass にいらっしゃるそうです。メニューは地元産の食材をつかったサラダやピザからお寿司まで、かなり幅広い感じ。入場券を持っていなくても入れるので、次回は挑戦してみたいです。

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敷地内にはカフェやおみやげ屋さんもあって、こちらもチケットなしでOK。エンバカデロ通りに面したロビーには、この土地にエクスプロラトリアムが完成するまでの経緯や、開港150周年を迎えたばかりのサンフランシスコ港の歴史を紹介する展示があって、もちろん無料で見学できます。

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この辺りは散歩にも最適なので、お天気のいい日にぜひ出かけてみてください。これはまったくの余談ですが、入り口の広場にある円柱で写真を撮るとすごーく痩せて見えますよ!

Autodeskの無料ギャラリー

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図面作成ソフトAutoCADシリーズで知られる Autodesk社が毎週水曜日、サンフランシスコオフィスの一部を展示スペースとして一般に公開していると聞き、このビル(1 Market Street)にやってきました。この構図、以前も撮ったことあるなぁと思ったら、この時にも来てました。

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入ってすぐのエレベーターで2階に上がると、いきなり展示物が目に入ってきます。ミュージアム気分で好きなように歩き回っていいのかな?と思っていたら、受付のお姉さんに声をかけられました。

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「ギャラリーを見に来たんだけど…」と告げると、ゲストリストに名前を書くよう求められ、ついでにこのギャラリーのことをどこで聞いたのか尋ねられました。なにかのウェブサイトで見た、みたいなことを話しながら名前を書くと、このガラス張りのドアのロックが解除される音がして、中に入ることができました。

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展示スペースはわりと広くて、Autodesk社のソフトを使って製作された図面や模型をじっくりと見ることができます。ちなみに手前左は、今秋に開通予定のオークランド・ベイブリッジのイーストスパンの模型。右奥に見えるのは、カリフォルニア州カールスバッドのレゴランドにあるレゴ製恐竜を再現したものです。

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レゴで大きな作品を作るのって、実は緻密な計算と設計が必要なんですねー。こうゆうのってすごいなぁ。と、かなり熱心に写真を撮っていたら、恐竜越しにセキュリティーのおじさんにチェックされていました。

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もちろん、単純に(?)楽しい模型ばかりが展示されてるわけではありません。入り口付近では腕時計の部品を紹介。すごーく小さい部品もルーペで検証できるようになっていて、その細かさに感動します。

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医療の分野でも広く活用されているようで、説明を読んでも全然分からない分子や遺伝学に関するものから、見ただけでその精巧さと種類の豊富さに感心する義足の数々まで、幅広い内容の展示が続きます。

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Market Streetに面した窓際にはコンセプトカーが大小2台。ほかにも高層ビルや公共居住施設、それから、オークランドに建設された Cathedral of Christ the Light などの模型をはじめ、ナイキのプロダクトデザインの歴史や、デジタルアートの世界でのソフトウェアの活躍ぶりなど、ほんとにいろんなものが詰め込まれています。これで無料なんて、行かなきゃ損かも。

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ということで、ビジター向けの情報はこちら。もちろん公式サイトには、もっと詳しい情報があります。