明けましておめでとうございます。
今年は7月までサンフランシスコ市の最低賃金が上がらないので、違うネタで新年のスタートを切りたいと思います。
なんと、ロサンゼルスです。
個人的にはあまり興味がなく、宿敵ドジャースの本拠地でもあるので近寄らないようにしてきた土地ですが、昨年1月にとても大事な用事ができたのでアムトラックで行ってきました。今回はその復路の旅行記です。
アムトラックの発着駅であるユニオンステーション。ここは素直にすてきな場所だなぁと思いました。歴史を感じさせるのに古びてなくて、「今から旅に出るぞ〜」という気分を高揚させる何かがあります。映画やドラマにたびたび登場するのもうなづけます。
往路は一番早いルートを選んだので鉄道+バス(ベイカーズフィールドで乗り換え)の旅でしたが、帰りはシアトルとロサンゼルスを結ぶ、寝台車付きのコースト・スターライトに乗ってみることにしました。太平洋沿いを走る列車なんて、なかなかロマンティックです。「海側の席、取れるかなぁ」などと浮かれながらホームに向かったんですが、乗車前にLAPDによるIDチェックの洗礼を受けました。なにかの事件の容疑者がアムトラックで逃亡でも企てていたんでしょうか。列車に乗るために警官にIDを見せるなんて、初めての経験です。
普通席はこんな感じで、飛行機のエコノミーよりもゆったりとしている印象を受けました。残念ながら東側(すなわち海とは逆)の席しか残っていませんでしたが、心配ご無用。このコースト・スターライトには誰でも利用できる展望車両があるのです。
こんなに窓がたくさんある席に座って旅ができるなんて、LAを出発した直後からわくわくが止まりません。ここでは無事海側の席を確保したので海が見えるまで粘りました。
どうですか、このぜいたくな景色!! これはサンタ・バーバラ付近だったと思いますが、本当に海沿いを走るんです。線路と海の間に家も道路もビーチもなく「窓のすぐ外が太平洋」なんていうスポットもありました。
そしてサンタ・バーバラ駅に到着〜。ここは長めに停車するので、喫煙休憩を取る人がいっぱい見えておもしろかったです。(コースト・スターライトは全車両禁煙。たぶんアムトラックは全便禁煙だと思います)
さて、今回のもう一つのお楽しみ、食堂車です。寝台車の乗客はもっと豪華なラウンジ(パーラー・カーというそうです)が利用できて、ワインテイスティングや映画鑑賞なんて催しも楽しめるそうですが、その分お値段もグッと跳ね上がるのでグッと我慢です。
海を見ながら食事ができるんだから、これで充分充分。食堂車は予約制で、乗車後わりとすぐに「本日のランチは12時30分、1時、1時30分、2時を予定しています。ご予約を希望の方は係員にお申し付けください」みたいな内容のアナウンスメントが流れてました(時間はうろ覚え)。列車の揺れに合わせて食器がカチャカチャと音を立てるのを想像しながら席に着いたんですが、なんと、貨物列車の通過待ちで停車状態に突入。1ミリも動かないままのランチになりました。ちぇー。
メニューは簡単なもので、この日はターキーのミートボールとパスタ、チーズバーガー、シーザーサラダなど。テーブル数が限られているので相席になることが多いようです。ビジネスの取り引きで週に何回か往復していると話すおっちゃんと同じテーブルでしたが、ツッコミどころが多すぎて怪しいのであまりしゃべらずに食事を終えました。週に何度も行き来するのに、なぜこの便なんだろう。(景色はいいけど鈍いし、よく遅れる)
そういえば行きの列車の中で、売店のメニューに「Ramen Noodles」の文字と写真を発見しました。インスタントラーメンをこんな風にサーブするの?と興味津々で注文しようとしたら、「そこにあるわよ」とカップヌードルを指差されて唖然。まぁ冷静に考えればそうなんだろうけど、この写真は間違ってると思う。
コースト・スターライトの次の喫煙休憩地点はサン・ルイス・オビスポ。この辺りから内陸を走るようになって景色も変わります。今地図を確認したら、海のすぐ側を通るのはサンタ・バーバラ付近だけなんですね。サンノゼからマルティネス間は湾沿い、その後はサクラメントまで東に進んで、シアトル目指して北上します。
なだらかな丘をくねくねと進んでいるとき、最後尾の車両から列車の頭の方が見えました。速度もずーと安定して鈍行並み。時間がかかるわけです。LAーオークランド間は11時間14分、Wiki によるとLAーシアトル間は約35時間だそうです。それなら寝台もありでしょう。大人2人で小さな部屋をシェアして一人240ドル(2016年1月現在、食事込み)。1泊2日の食事付きの旅行だと思えばそれほど高くないかも?
当時(2015年1月)のレシートを確認したら、コースト・スターライトの普通席(LAーオークランド)は大人1人61ドルでした。オークランドからサンフランシスコへ戻ってくるシャトルバスも込みの値段です。また行ってもいいかな。いや、次回は寝台でシアトルかな。森林の中や湖の側を通ったりして、こちらも見どころ満載のようです。普通席は食事が付かないので、食料を買い込んでいった方がよさそうです。売店の食べ物はバカ高くはないけどおいしくもないので。食堂車も一回体験すればいいかなぁ。